kondohiのblog

ひろじの個人ブログです

映画

「グレートウォール」を観ました

(結論)たいへん面白かったです(終了)

 http://greatwall-movie.jp/

この公式予告編を観てピンと来る怪しいものがあった人なら今すぐ劇場に足を運ぶべきです。たぶん期待している通りのステキ映像が満載ですので、決して損はせず満足して劇場を出ることができると確信します。
予告編を観ると割とカッコいい台詞が乱発されていますがぶっちゃけこれはただの主人公の動機付け別に説教臭さとかないです。愛と感動の物語なんか誰も期待してないですよね?

映画を構成するギミックは、かっこいいのひとこと。
禁軍の兵たちが兵科ごとに赤青黄…の綺麗な鎧を着て整然と行動する分かりやすさ。中国脅威のメカニズム万里の長城を支える歯車。動力源はもちろん人力。スーパーウェポン黒色火薬。そしてハイパーテクノロジーの磁石を駆使したギミック。弓矢。ロープ。炎。熱気球。
ぼくの中のゼルダの伝説を愛する心と男子小学生の魂が 揺さぶられっぱなしで歓喜の涙を流しっぱなしの2時間でした。

あと、最近露骨に売り出し中な、中国の剛力彩女ことジン・テイエンはこの映画ではキングコングよりもだいぶ活躍していて綺麗で良かったです。あとこの映画を観て分かったのは、ああなるほどハリウッドでジン・テイエンが露骨に珍重されるのは、このひとが中国と英語が喋れるからなのだな…とは思いました(マジで)。 
実際、レジェンダリーなハリウッド映画ではあっても「どう観ても中国映画」でもあり。日本でもたまにハリウッドと日米合作して作る映画ってありますよね?あのノリ。極底探検船ポーラボーラとか(もっとマシな例はないのか)。

ともあれ、この手の映画が好きな方には、自信を持ってお勧めできる一作です。 

「ローグワン スターウォーズストーリー」を観ました

ローグワンの感想をだらだら書きます。

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ネタバレ全開なので、未見の方は読まないことをお勧めします。 
ただの「感想」です。だらだらツッコミを入れつつ書きます。
「評論」とか「考証」とかやる気はないです。
その辺が読みたいかたは、町山さんのトークでも聞いてください。


では始めます。


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まずオープニングは、ディズニーになってから20世紀FOXファンファーレがないのは諦めたのですが、コレ↓もないというのはかなり意外でした。
まあ「正史」じゃないってことなんだよなー。

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ロゴを流さないままで冒頭に画面の上の方に三角の何かが現れて「スターデストロイヤー?」と思わせたのが惑星の環だったっていうのは、ネタとして面白かったです。

冒頭で主人公ジン・アーソが女児の時に、パパが連行されてママが殺される。
それからカメラが切り替わって、15年後に成長したジン・アーソが帝国に捕まっている(っていうことデス・スターの建造が行き詰ってから15年経過したってことなんだが…)。
パイロットのボーディー・ルックが追われて逃げる。
やさぐれたジン・アーソが輸送中に反乱軍に救出される。
パイロットのボーディー・ルックがソウ・ゲレラに捕らえられる。
あやしげなクリーチャーによる尋問を受ける。
このへんは大分ごちゃごちゃしてますが、まあポンポン話が進むのを見守るのみ。
基本的にこのへんはスターウォーズ本編とは無関係なので、予備知識ゼロの方と違いなく観るのみです。

しかしジン・アーソが連行されたのがエピソード4のまんまの「ヤヴィン4」の反乱軍本部であり出迎えたのがモン・モスマのおばちゃんであるあたりから段々とテンションが上がってきます。(画像はエピソード4から)

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ついでに反乱軍が「依頼を受けないなら収容所に送り返す」とか結構エグい交換条件でジン・アーソに同意させたり、ジン・アーソには内緒で「父親は殺せ」と依頼するあたりで「正義の味方」ではないあたりを強調。

ジン・アーソがブラスターを手放さないあたりでK-2SOとキャシアンとのやりとりがありますが、ここは「彼女はブラスターを?」みたいな字幕翻訳が非常に鼻につく所なので、はっきり言って吹き替え版のほうが大分いいです。

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スターデストロイヤーと完成した巨大なデス・スターが移り、そしてモフ・ターキンの登場
後付けで考えれば、この映画でモフ・ターキンが出ているのは必然なのですが、予備知識もなく最初に観た時には思わず「あっ」と声が出そうな部分でした。
エピソード3のラストでちらっと映っただけでなく普通に動いて喋る。ピーター・カッシングが故人であることを知っているので「CGって凄いなあ」と驚かされる部分。
ここでモフ・ターキンとクレニック長官との納期に関するやりとり。

ジェダの町の青空の上空にスターデストロイヤーが静止浮上している絵ってのは、これまでのシリーズで出てこなかった絵だったので非常に新鮮でしたね。

ジェダの街に2人と1体が潜入。
ジンがチアルートに声をかけられる(この時点ではただのインチキ占い師)。
唐突に街中でテロリストが暴れ始める。
2人と1体も巻き込まれる。
チアルートとベイズも暴れる。
結局はソウ・ゲレラに4人組で捕まる。
正直なところ、このへんは例によってポンポンとごちゃごちゃと話が進むので画面を見守るのみ。

ソウ・ゲレラに捕まる時に黒い頭巾をかぶせられるのは、あからさまにISISなどのテロリストを思い出させる不快な演出。
捕まる牢屋の中からお約束の「酒場でアナログギャンブルに興ずるクリーチャー」を見せるのは割と正直おなか一杯でテンションがあまり上がりません。

さらにジンが心身ともにボロボロのソウ・ゲレラとの対面の後、父のホログラムを見せられ、ここで娘への愛を語る父がこの映画のストーリーの骨子を語ります。
このシーンはこの映画の最初の泣き所なのですが、同時にここで、エピソード4で僕たちが35年間抱いてきた疑問に見事な回答が与えられます。
つまりエピソード4を最初に観た観客は、おそらくは
「デス・スターの設計図を持ち帰ったのはいいけど、調べて弱点を見つけるまでが早すぎじゃない?」
「ていうか都合良く弱点が見つかったから良かったようなものの、無かったら反乱軍終了」
「行き当たりばったりにも程がある」
という疑問を抱いたのではないでしょうか。
少なくとも当時中学生の僕はそういう疑問を抱いて「ま、ご都合主義だし」とそこには目をつぶったものでした(笑)。

なのですが本作では、父のメッセージという形であらかじめ「デススターには弱点を仕込んである」「それは設計図を調べれば分かる」という情報が反乱軍に与えられるわけで、これは観ていて「なるほど」と腑に落ちた部分でした。

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同時に帝国側では、デス・スターのテストとしてジェダの街を一撃で吹き飛ばす。
間違いなくここでエピソード4大好きっ子の全員が「こいつら馬鹿だろ」(褒め言葉)と思った瞬間です。そのまんま。※画像はエピソード4のものです。ローグワンのものじゃありません(笑)。

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ガンダム・オリジンとかもそうなんですが、僕らはこれまで「昔観た奴をいまの技術でかっこよく描き直す」ってのは割とおなじみだったんですけど、まさか今の技術で敢えて35年前とまったく同じ画面を作るとか思ってませんでしたよ!
ガンダムにたとえると新作の劇場版を観に行ったらコレ↓が出てきたようなもんですよ!

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そして破壊されたジェダの街から迫り来る土石流に巻き込まれてソウ・ゲレラのアジトが飲み込まれてソウ・ゲレラは死亡し、一行はからくも脱出(このへんのご都合主義はもう突っ込まない)。

破壊されて噴煙を上げるジェダの上に漂うデス・スターの禍々しさと美しさたるや。
同時にクレニック長官とモフ・ターキンの手柄は俺のもの合戦であっさりクレニック長官が敗退。
クレニック長官は一応は本作の一番の悪役の筈なのに、モフ・ターキンとダース・ヴェイダーが悪すぎるんや…。

ジェダを脱出した一行はそのまま惑星イードゥに移動し、ゲイレン・アーソとコンタクトを試みる。
ここからしばらくはまた、雑なポンポン進行タイムです。
乗れる宇宙船を探しに、ジンを置いていきゲイレンを殺そうと出かけるキャシアン。
そのキャシアンを怪しんで自分も単身出かけるジンと、それを追う2人組。
そのタイミングで都合よくわざわざ外から見える所にぞろぞろ出てくるゲイレン・アーソたち。
まあクレニック長官を出迎えるという理由が一応ついていますが。
到着したクレニック長官は、まずは中に入ればいいのにその場で科学者一同を集めて尋問と処刑タイムの開始。
ゲイレンを撃とうか止めよか音頭を踊るキャシアン。
そこへ到着して爆撃を始める反乱軍。
もう滅茶苦茶。
ここで父と娘の最後の対面と会話。父死亡。実のところこの映画での2番目の泣き所だとは思うのですが、ちょっと展開が雑すぎて感動するのは難しいと思う。
一同は惑星イードゥを脱出してヤヴィン4へ。
船内でジンとキャシアンの会話。辛かったのはジンだけじゃない。誰もが主人公。

ヤヴィン4で反乱軍の評定の開始。
証拠のないジンの証言の信憑性も疑われる展開。
ひたすら降伏を主張する黒人ババア。
戦いを主張する将軍。
そんな中で、ジンの演説に耳を傾け始めるギャラリー。ああ、このジンの演説で全員が出撃を決めるようなことになったらよくあるクソな脚本だよなと思いつつドキドキしながら観ていたのですが、幸いそのようなことはなくモスマのおばちゃんが否決して反乱軍全体としての出撃はなし。

やさぐれて船に戻ったジンの所に「4人じゃ足りない」「何人必要だ?」のベタベタな展開。
ジンの行動に賛同するやさぐれもの共が10名ほど。
キャシアンの、これまで汚いことをたくさんやってきたからこのままじゃ終われない、というセリフはなかなかいいです。個人的にはこの映画の3番目の泣き所
きっと真田丸で大阪城にこもった浪人どももこんな心境だったのでしょうか。

拿捕した帝国軍の貨物船に乗って惑星スカリフに出撃する一行。ここでコードネーム「ローグ・ワン」をてきとうに決めるという展開にはちょっと微笑。
中間管理職ヴェイダーにチョークされて自分もスカリフに向かうことにしたクレニック長官。
ローグ・ワンは惑星スカリフのシールドゲートを通過。コードネームが変更されていたらオシマイだがという程度のご都合主義は許容範囲。
臨検に来た担当者を船内でこっそり殺してスーツを奪うというお約束の展開。
個人的にはこの2人と1体をあっさり入口を開いて基地内に入れてしまうというのはどうかと思ったが、まあ小さい話。

陽動作戦としての残り10人が爆弾を仕掛けてのドンパチ開始。
奥へ進む2人と1体。
スカリフでドンパチが始まったのを傍受し、さらに将軍が独断でスカリフに出撃したのを聞いて、ただちに反乱軍の全軍をスカリフに向けるモスマのおばちゃん。あ、それ全軍が全滅するパターンやで…との思いが一瞬浮かぶも、いやいやこれは各個撃破されるだけなのを避けた名指揮官の判断ということで。
反乱軍のスカリフへの全軍出撃シーンでC-3POとR2-D2が出るサービスカット(実は必要なカット)。

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スカリフの地上軍のドンパチで、どう見てもローグ・ワンが10人以上居そうなのには目をつぶる。きっと100人に見えているだけだろう。
潜入した2人と1体はデータ保管エリアに到達し、目的のデータの捜索を開始。
スカリフに到着した反乱軍は宇宙でのドンパチを開始し、多くの機体がスカリフのゲートを通過。

地上の歩兵には圧倒的な制圧力を見せるAT-ATを撃破するX-WingとかTIEファイターとの交戦とか、この辺はもう見ているだけで脳汁が出まくるシーン。
AT-ATがエピソード5に比べて随分もろいな、とも思えるのだが、きっとこの反省で後に装甲を強化したのだろう。
TIEファイターのコクピットと照準がエピソード4のままなのも脳汁ポイント。

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2人と1体はデス・スターの設計図を発見するものの、カセット回収の途中でマジックハンドの電源が停止。
さらに1人でトルーパーを食い止めていたK2-SOがドアを封鎖してお亡くなりに。
「あ、こいつここで死ぬんだ」という意外性が最初の感想。
やむなく窓を割って自力でカセットを取りに行く2人。
こういう「落ちたら死ぬんやで」なファミコンのアクションゲームみたいなカットは正直なところだいぶ食傷。

同時にゲートを通してのデータ転送のため「マスタースイッチ」の電源を入れる必要があると判明。
ここで長いケーブルをつないだりマスタースイッチの電源を入れたりする。
マスタースイッチが「あんな所のあんなレバー」なのは正直なところ苦笑するも、ここでチアルートが最後の見せ場を作ってスイッチを入れることに成功。チアルート死亡。

カセットを回収するなり、クレニック長官と護衛2人との銃撃。
キャシアンが撃たれて墜落。死亡判定中。

さらに上空では、反乱軍が停止したスターデストロイヤーをブラケッドランナーで物理的に押してもう1隻のスターデストロイヤーにぶつけるという、目をつぶるにも限度がある力技を見せる。
そのスターデストロイヤーがもう1隻のスターデストロイヤーに衝突し、シールドゲートを直撃して破壊というのも大概ではあるが、ともあれシールドゲートの破壊に成功。あとは転送データ待ち。

ひとりカセットを携えたジンが、そのまま上に向かいシャッターゲートを通過。開いたり閉じたりして「はさまれたら死ぬんやで」なファミコンのアクションゲームみたいなギミックに、思わず「スケバン刑事」の梁山泊編を思い出しつつ苦笑。こういうのもういいです。

そしてついにアンテナに到達したジンがカセットをセット。
しかしアンテナの向きを直す必要があって、それには10mほど外側に離れた所にあるパネルまで移動して操作する必要がある。なぜこれも一緒にここで操作できないのか。なぜわざわざ普通の人なら下を見てちびっちゃそうな所に設置してあるのか。
で案の定、その操作にも成功してアンテナを直した所で流れ弾を受けて「落ちたら死ぬんやで」なファミコン(略)。

アンテナ調整から戻るところでクレリック長官に銃をつきつけられたジン。
そのクレリック長官を撃ってジンを助けるキャシアン。
そしてデス・スターの設計図のデータ転送に成功。
ローグ・ワンのミッションコンプリート。
設計図を確保した反乱軍は総退却を開始。
倒れているクレリック長官にとどめをさそうとするジンを制止してエレベータを降りるよう促すキャシアン。

そこに登場するデス・スター。
青空の中を地平線に姿を見せるデス・スターの息を呑む美しさと禍々しさ。
この映画の主役はデス・スターなのだと思わせる、個人的にはこの映画で一番好きなカット。

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到着するなり躊躇せずにスカリフの破壊を命じて実行するモフ・ターキン。
気がついたクレリック長官が、自分に向けられたデス・スターにより殺されることを悟るこのインガオホー感。
きっちりタワーを直撃して一瞬で吹き飛ばすデス・スターのビーム。

海岸沿いを歩くジンとキャシアンの最後の会話。
いわゆる恋愛感情なんて皆無だと思うものの最後の仲間として抱擁して光に包まれる2人。
「あ、こいつらここで死ぬんだ」と今更ながらの感想。
まあ素直にここはこの映画の4番目の泣き所ポイント。

そして観客が「あー、みんな死んじゃったけど、これでエピソード4に『つづく』という感じで、めでたしめでたしのエンディングクレジットかなー」とか思い始めるところで怒涛のラスト10分に突入。

---

さっさとハイパースペースで逃げればいいものを、まだもたもたしている反乱軍の旗艦にヴェイダーが乗り込みます。
ちなみに「旗艦を無力化しました」というセリフには3回目(吹き替え2回目)で気がつきました。

転送されたデス・スターの設計図を反乱軍がメモリカードに収めたところでヴェイダー卿の襲来。
このへんの館内のBGMがエピソード4の冒頭部のBGMなのがすでにテンション上がりまくり。
ひたすら禍々しく強いヴェイダー卿。
エピソード4ではまずトルーパーを突っ込ませましたが、一刻を争う今回は自分が真っ先に乗り込みます。

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そして半開きのドアからの脱出を諦めてメモリカードをドア越しに手渡す兵士。
それを受け取ってさらに奥に走る兵士。
「脱出ポッドの用意を」という背後の会話。
そして「やるのか?まさかここでそれをやるのか?」と思う間もなくドアを開けると、そこには背中を向けたレイア姫の白い衣装。
そして兵士からメモリカードを手渡されて、カメラが回って若くて綺麗なレイア姫のお姿。
そして「希望へ」とエピソード4に見事につないだ瞬間。
旗艦から飛び出してハイパースペースに飛び込むブラケッド・ランナー。

まさにローグ・ワンが「よくできました」から「大変よくできました」になった瞬間。
エピソード4の前日譚だとは当然ながら承知していましたけど、まさかエピソード4の5分前までやるとは思いませんでしたわー。

そしていつもの青いエンディング・クレジットが流れる間はさめざめと5番目の泣き(ただしここで泣けるのはエピソード4大好きっ子限定)。あとはエンディングの青い字幕が流れるのを読むのみ。

エンディングはローグワンの曲を交えつつ、最後の最後のところはいつものフレーズをもってきたあたりのサービス。

…そういえば、本作は新キャラはみんな死ぬけど、生かしてしまったら「なんでこいつらエピソード4に居ないの?」という突っ込みが入るから仕方がないんだよなー、というのに気がついたのは、劇場を出てからのことでした。

ともあれ、いろいろ細かい点はありますが、エピソード4大好きっ子としては「フォースの覚醒」以上に「ええもの見せていただきましたわー」な感じ。

1年後のエピソード8と、3年後のエピソード9を観るまではまだまだ死ねない…と思いました。以上。 

「白鯨との闘い」を観ました

映画「白鯨との闘い」を観てきました。

http://wwws.warnerbros.co.jp/hakugeimovie/

以下、この映画についていささか語りたいと思います。
ネタバレNGのひとはここから先は読んではいけません。

WS000052
(日本版サイト)



では始めます。










この映画、ひとことで言えば「タイトル詐欺」な映画ではないかと思うのです。
ええ、それも「日本の映画会社がつけたタイトル」のタイトル詐欺です。

「白鯨」と言えばまずはメルヴィルの19世紀の小説であり、エイハブ船長でありモヴィ・ディックである…というのが、おそらくは基本としての共通認識ではないかと思います。
筆者も1956年の映画を子供の頃にTVで見て、エイハブ船長が手招きをするシーンは軽いトラウマになりました。

さて。
それを踏まえたうえで、この「白鯨との闘い」というタイトルとポスターで映画の内容を想像すれば、これはもう誰がどう考えてもこの荒くれ男たちと白鯨との死闘を描いた海洋冒険作品になる…と思うことでしょう。

なのですが。
大きな問題として、実際にはこの映画、白鯨とは「闘ってません」。
これはメルヴィルの「白鯨」の映画化ではないのです。

まぁ映画のポスターにもよく見れば「名著『白鯨』の隠され続けてきた衝撃の実話。」とか「伝説の白鯨との死闘。生き延びる為に、男たちが下した”究極の決断”とは」とか、何やらヒントが書いてあるのですが、まぁ普通、読み流しますよね、こういうのは。

では、それを踏まえたうえで、この映画の筋を紹介していくことにします。

---

基本的な流れとして、この映画は19世紀にメルヴィルが「白鯨」を執筆するうえで、白鯨と遭遇して生還した船乗りの1人から話を聞くという構成になっています。
まぁ、ある意味「これは白鯨の映画化じゃないよ」というサインにも見えます。

本編の視点は基本、捕鯨のベテランの副船長を主人公にして話が進みます。
この副船長が依頼を受けて捕鯨船エセックス号に乗る過程で「捕鯨は当時の欧州が求めた鯨油を得るために財界主導で行うものである」「ベテランだが叩き上げで船長にはして貰えない」「船長は財界の毛並みの良いおぼっちゃん」と言った当時の時代背景が語られます。

しかし出航後に「何年をかけてでも船倉に1600樽の鯨油を満たして帰る契約だ」とかいった軽いジャブが出てきて、この数字にたぶん観客は驚くことでしょう。自分も驚きました。

やがてミンククジラ1頭を発見して、ここで当時の捕鯨の描写がふんだんに行われます。エセックス号から10人乗りくらいの小さいボートを下ろして、ここでオールを漕いで近寄り、近寄ったら主人公が長いロープのついた銛を頭に打ち込みます。あとはロープがなくなる前に鯨が力尽きれば捕鯨に成功…というものでした。このへんは多分当時の史実に忠実。
ロープが伸びきっちゃったらボードがまだ元気な鯨に引っ張られるのかなー、とか思いましたが幸いにしてそのような事態にはならず、ともあれこの捕鯨は成功してみんなハッピーに。

次は鯨の死体に潜って油を汲んだり「このミンククジラ1頭で50樽ぶんの鯨油が」「脳油は特に貴重だ」とかいった明るい描写がなされます。本作は年齢制限はないのでグロ描写は特にありません。
何にせよ、つまり何年かかけてこういうのをあと30回くらい行えば本国に帰港できるわけですね。

さらに続く「鯨を捕り尽くしてしまったようでさっぱり見かけない」「ホーン岬を渡って太平洋へ」と言う展開のあたりでは、自分としては「お前らよくこんなことやっておいて今になって日本に捕鯨禁止とか言えるよな」というツッコミを抑えられませんでしたが、これは本題ではありません(笑)。


そして「船長の判断ミスで嵐に遭ってエセックス号が損害を受ける」「だがまだ鯨油を得ていないのにおめおめと本国には帰れないのでチリで修理する」という展開になり、だんだん暗雲がたれこめてきます。
そしてチリの酒場で出会ったボロボロの元船乗りの男から「西に3000マイルの所に途方もない鯨の群れがある」「ただし『怪物』がいた」という話が聞けます。
観客としてはキタキタキタキター!という感じですが、もちろん怪物のことなど無視してエセックス号は西に向かいます。

ちなみにここで「4800キロ」という妙に細かい数字を字幕にするのはどうかと思いました林せんせい。

そして西に3000マイル来ると「大勢の鯨がいるぞー!」の報告を見張りがします。一同は狂喜してボートを出して続々と乗り込み、いよいよ楽しい鯨狩りを始めることにしました。
ただし当然、ここでいよいよ「怪物」の登場です。観客も固唾を呑んで先を見守ります。




そして一行の前に、でかくて白い鯨「怪物」が登場しました。
大きさはエセックス号(50mくらい?)と同じくらいの大きさだったでしょうか。
ともあれ皆の小さなタグボートでは話にならない大きさです。
そしていよいよエセックス号と「怪物」との「死闘」が始まるのでしょうか。


そして「怪物」はエセックス号に近寄ると、すれ違いざまにその尻尾でエセックス号を一撃。
一撃でエセックス号は大破。そして何かに引火したのか、エセックス号が炎上を始めます。

このため急いで総員は、鯨狩りなど中止して、できるだけ水と乾パンを積んだうえでボートで脱出することになりました。やがて炎上してエセックス号は沈みました。



白鯨との闘い(完)



…闘ってません。闘いになってません、これ。

ともあれこの瞬間から、僕たちは後半、別の映画を見始めることになりました。

要するに「こんな太平洋のど真ん中でわずかな食料と水だけもって手漕ぎボートだけで放り出された俺たち」「東に3000マイル戻るしかないのか」という映画の始まりです。

…まああとは、だいたい予想がつく通りの展開になります。
一言で言えば「『白鯨』を観に行くつもりだった僕が観たのは『アンデスの聖餐』でした」という感じです。
ちなみに、最後はそれなりにヒューマンな締め方で、これ自体は映画としてそれほど悪くはないのです。
ただ「白鯨との闘い」を期待したひとが見たがった結末だとは思えないのですが。



ここでいま一度この映画のコピーを見返すと、
「名著『白鯨』の隠され続けてきた衝撃の実話。」
「伝説の白鯨との死闘。生き延びる為に、男たちが下した”究極の決断”とは」
…うん、何も嘘は言ってませんね!まさにこういう映画でしたよこれは!

ついでに原題は「In the Heart of the Sea」(大海の中心で)。
…うん、これもこの上なく嘘は言ってません。

WS000053
 (英語版サイト)

というわけで「白鯨との闘い」は、日本の映画会社がつけた題名に騙されなければ、そこそこ見所のある映画であったと言えるでしょう。

(追記)Wikipediaによれば当初の邦題は「白鯨のいた海」だったらしいですね。これなら納得。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E9%AF%A8%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%97%98%E3%81%84 
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